第10話・みっつ造反!?

 前回までのあらすじ
 京都観光初日を十分に満喫したみっつと岩夫。今回は観光2日目に訪れた宇治でのエピソードを中心にお贈りします。では、早速本編スタート!

 みっつと岩夫にとって京都2日目の朝を迎えた。といっても、翌日の夕方には京都を離れるので自由に観光できるのは実質的には今日が最後なのである。
 みっつ 「おはよう~。岩夫、何やってるんだ?」
 低血圧のみっつは朝に弱い。この日もみっつが起きた時には、既に岩夫は起きて台所でなにやらやっていた。
 岩夫 「おはよう、みっつ君。見ての通り、御飯を炊いてるんだよ~。」
 更に岩夫は昨日の夜にファミリーマートで買物していたらしい味噌汁(様はあさげ)も用意する周到ぶりだった。日本人の理想の朝御飯を岩夫は作り食べ始めた。
 岩夫 「みっつ君の分もあるけど食べるかい?」
 みっつ 「いや、朝はいつも食べないしお腹も空いてないから遠慮しとくよ~。」
 岩夫 「じゃあ、俺は頂くよ。少し待っててね。」
 こうして岩夫が朝御飯を食べる間にみっつはテレビでニュースなどを見ていたが内心では、
 (どうやら、岩夫の奴は貧乏旅行だけでなく一人暮らしにも憧れる毛があるようだなぁ。流石はブルジョアだ)
 とか、考えていたのだった・・・。
 そして、岩夫の朝御飯も終わり出かける準備も完了し2人は外に出た。その後、市営バスで京都駅へと向かい京阪宇治線に乗り換えて宇治へと向かった。
 みっつ 「宇治は何か京都市内とは様子が違うよね~。」
 確かに宇治の町並みは伝統を反映したもので観光地に相応しいものだった。時間があったので2人は、日本最古の神社建築で世界文化遺産にも指定されているという宇治上神社に立ち寄る事にした。
 岩夫 「この本殿とか凄いよね~。平安時代から建ってるんだよ!」
 みっつ 「これは凄いわ。あ、あっちに宇治名水ってのがあるよ。飲んでみようぜ!」
 ふと立ち寄っただけなのに十分に宇治の歴史を堪能できたと思う。そして、メインの観光テーマである「平等院」に向かい宇治川に掛かった宇治橋を渡った。
 岩夫 「ここが平等院なんだね~!」
 みっつ 「すげぇ!本当に10円玉の裏でしょ!」
 とりあえず2人は「鳳凰堂」の中から見学したが、流石に観光客は多かったが、既に年末(この日は12月29日)なので余裕を持って見学する事が出来た。
 みっつ 「ここは見応えがあるねぇ!」
 岩夫 「次は庭園の方から見てみようか。」
 この日は天気も良かったので水面に映った「鳳凰堂」の全景を見ることが出来た。こうして2人は大満足で「平等院」を後にした。帰りはJR宇治駅を利用しようと思い宇治駅へと向かった。そしてチケットを買う段になって事件は起こった。
 岩夫 「ちょっとトイレに行きたいから先にチケット買ってて。」
 みっつ 「おう、了解~。」
 すぐにチケットを買ったみっつは販売機の前の段差に座っていたのだが、すぐ横に何やら小さな正方形状の包みがあった。その表にはサンリオのキャラクター「ター坊」のイラストがプリントされていた。何気なく拾ったみっつはしばらく考えた末にそれが何かを悟った。そんな内に岩夫が戻ってきた。
 みっつ 「やぁ、岩夫君。これあげるよ~。」
 岩夫 「なんだいこれ?」
 しげしげと眺めていた岩夫もすぐに気づいたようだった。
 岩夫 「みっつ君!これ、コンドームでしょう!」
 この瞬間、みっつは爆笑していた。岩夫があまりにも真顔で言うので思わず笑ってしまったのだ。
 みっつ 「あはは!相変わらず、岩夫はストレートだねぇ。」
 岩夫 「こんな物、どうしたのさ~!?」
 みっつ 「そこにあったんだよ~。お土産だ、持って帰んなさい。」
 岩夫 「いらないよ~!」
 結局、使う当ても予定も無い2人はJR宇治駅にコンドームを奉納してJRに乗った。この後、2人は妙なテンションになっていった。
 岩夫 「さて、お昼はどこに食べに行くん?」
 そう、何故か岩夫は「偽関西弁」を操りだしたのだった。正直、みっつは岩夫の変化を内心で驚きながら冷静に対処を考えた、それは、岩夫を貶める事に他ならなかった。
 みっつ 「いや、別にこだわりはないよ~。」
 岩夫 「そんなんじゃ、あかんでしょ!」
 みっつ 「ところで岩夫君。ちみは何で関西弁使うの~?我々は道産子でしょうが~。偽関西弁は止めなさい!」
 言葉に詰まる岩夫を他所に周りに座っていた小母さん達は少し笑ったりしていた。どうやら、2人のやり取りが面白かったようだ。ここが勝負所とみっつは、
 みっつ 「大体、岩夫君。車内でるるぶ広げない!観光客丸出しでしょうが~!」
 また笑いが起こったが、岩夫も笑顔でこの場を楽しんでいた。そんなこんなで京都駅へと帰ってきた2人は結局、みっつが推薦したお好み焼を食べに行く事になった・・・。

 さて、今回も久々になってしまいましたが、いかがだったでしょうか?今回は京都観光2日目の午前中が終わるまでを書きましたが、次回はお好み焼を食べに行った2人が更に「清水寺」を観光します。次回、第11話「思い出のお好み焼」をお贈りします!お楽しみに~!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ
           [製作協力] RYO 


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